2024年1月29日、元フジテレビアナウンサー・渡邊渚さんが自身のフォトエッセイ『透明を満たす』を出版しました。この書籍は、彼女が経験したPTSD(心的外傷後ストレス障害)や療養生活について赤裸々に綴られています。本記事では、彼女のフォトエッセイが伝えるメッセージと、PTSDの現実について深掘りしていきます。
渡邊渚さんがフォトエッセイを出版した理由
渡邊さんは、2023年6月の出来事をきっかけにPTSDを発症し、その後療養生活を送ることになりました。なぜ彼女はこのタイミングで書籍を出版しようと決意したのでしょうか?
「同じような苦しみを抱える人の助けになれば」という想いが大きかったと語っています。彼女自身の体験を記録し、同じ悩みを抱える人たちが少しでも前を向けるようなきっかけを作りたかったのです。
PTSDの実態と持続エクスポージャー療法とは?
PTSDとは?
PTSDは、強い恐怖やトラウマ体験をきっかけに発症する精神的な障害です。主な症状としては、
- フラッシュバック
- 過覚醒(些細な音や刺激に過敏になる)
- 回避行動(トラウマを思い出させるものを避ける)
- 感情の麻痺 などが挙げられます。
持続エクスポージャー療法とは?
PTSDの治療法の一つとして、「持続エクスポージャー療法」があります。これは、トラウマの記憶に意図的に触れ、それを整理しながら徐々に恐怖や不安を軽減させていく治療法です。
渡邊さんの場合、トラウマを想起させる食べ物の写真を見ることからスタートしました。しかし、最初のうちは写真を見ただけで吐きそうになるほどの苦痛が伴いました。少しずつ慣れていくことで、心の傷を癒していく過程を記録したのが、フォトエッセイ『透明を満たす』です。
PTSDを抱える人へのメッセージ
渡邊さんは、フォトエッセイの中で「自分は透明人間になったような気持ちだった」と述べています。PTSDを抱える人の多くは、社会との断絶を感じ、自分の存在価値を見失いがちです。
しかし、彼女は「生きているだけで十分だ」とも語っています。焦る必要はなく、少しずつ自分のペースで歩みを進めればよいのです。
まとめ
渡邊渚さんのフォトエッセイ『透明を満たす』は、PTSDという目に見えない苦しみを伝える貴重な作品です。PTSDに悩む人にとって、彼女の体験談は大きな励みとなるでしょう。また、PTSDを理解し支える側の人々にとっても、学ぶべきことが多い一冊です。
私たち一人ひとりが、心の健康についてより深く考え、支え合う社会を作っていくことが重要です。