忠犬立ハチ高とは?高学歴女子が紡ぐ笑いの裏話

忠犬立ハチ高の誕生秘話

盛岡一高演劇部での出会い

 忠犬立ハチ高の2人、ノムラフッソさんと王坂さんは、岩手県内でトップの進学校と名高い盛岡一高の演劇部で出会いました。当時から生徒会や部活に積極的だった王坂さんが、ひときわ個性的な表現力を持つノムラさんに目を留めたことがきっかけでした。演劇活動を通じて仲を深める中で、互いにお笑いのセンスや笑いの感覚を共有することができたのです。

結成のきっかけとコンビ名の由来

 2人がコンビを結成したきっかけは、高校1年生の秋に遡ります。お笑いに興味のあったノムラさんを、王坂さんが「一緒にお笑いをやろう」と誘ったことが始まりです。進学校の厳しい勉強生活の合間に、共通の目標を持つことで日々の刺激となったと言います。コンビ名「忠犬立ハチ高」は、忠犬ハチ公にちなんで「信念を持ち、目標に忠実でありたい」という思いが込められています。また、出会いの場である“立ち舞台”という演劇部の舞台経験も象徴しています。

高校時代の経験が育んだお笑いの素地

 盛岡一高での3年間の部活動は、忠犬立ハチ高のお笑いスタイルに大きな影響を与えました。演劇とは異なる形で観客を楽しませたいという思いが、独自の表現力と舞台度胸を磨く機会となりました。文化祭や部内公演では、お笑い要素を取り入れた作品を自主制作し、観客に笑いを提供する楽しさを学びました。また、堅実な学業生活の中で培われた洞察力や分析力が、後のお笑いネタ作りにも活きることとなったのです。

高学歴女子たちの異色の経歴

山梨大学医学部卒と上智大学文学部卒の2人

 忠犬立ハチ高は、異色の経歴を持つ高学歴女子コンビとして注目されています。ノムラフッソは山梨大学医学部卒、王坂は上智大学文学部卒という文系・理系の異なるバックグラウンドを持ちながらも、お笑いという共通の目標のためにタッグを組みました。ノムラフッソは医学部という6年課程を修めながらも、芸人を目指す決断をし、王坂もまた文学分野の知識や感性を活かしてコンビの活動を支えています。高学歴というステータスだけでなく、そのユニークな視点や内面からくる笑いのセンスが、彼女たちの大きな魅力です。

なぜ東京大学落語研究会に?

 ノムラフッソと王坂の2人が選んだステージは、彼女たちの出身大学ではなく、東京大学落語研究会(通称:東大落研)でした。元々東大志望だったノムラフッソは、東京大学に合格はできなかったものの、その憧れを一部かなえるように東大落研に所属。王坂もまた、落語研究会が持つユニークで自由な雰囲気に惹かれ入部しました。所属大学が違うにもかかわらず、外部の人間も受け入れる東大落研の開放的な環境は、彼女たちのスキルを伸ばす舞台となったのです。また、落語という伝統的な日本文化に触れた経験は、現在のお笑いスタイルにも大いに影響を与えています。この選択こそが、異なる大学出身である2人がコンビとして活動を開始する重要なターニングポイントとなりました。

学生お笑い時代の活躍エピソード

 学生時代、ノムラフッソと王坂は東京大学落語研究会で多くの経験を積みました。特に注目されたのは、その枠にとらわれない発想力と、大学対抗のお笑いライブでの目覚ましい活躍です。医学部の忙しさを乗り越えたノムラフッソは、平日は病院実習をこなしながらも、午後には東京へ移動してライブをこなす強靭なメンタルと努力家な一面を発揮。一方の王坂も文学的な感性でネタ作りを支え、ステージでは鋭いツッコミで観客を沸かせました。こうして積み上げた実績が、忠犬立ハチ高としての基盤を形作ることになり、彼女たちを「THE W 2024」の決勝進出に導いたのです。

「THE W」への挑戦と快挙

女芸人No.1決定戦「THE W」とは

 女芸人No.1決定戦「THE W」は、女性芸人たちの頂点を決める日本テレビ主催のコンテストです。2024年に開催される今回で7回目を迎え、今や若手からベテランまで多くの女芸人にとって最高の目標となっています。この大会は、ネタの面白さだけではなく、芸人としての個性やパフォーマンス力が試される真剣勝負の場です。今年は、忠犬立ハチ高が決勝進出を果たし、注目を集めています。彼女たちの高学歴かつ意外性のあるバックグラウンドも、審査員やファンの間で話題となっています。

決勝進出の裏側とメンタル面

 忠犬立ハチ高が「THE W」2024で決勝進出を果たすまでの道のりは決して楽ではありませんでした。それぞれが山梨大学医学部と上智大学文学部という高学歴を持つ一方で、お笑いに本気で向き合う覚悟が必要だったといいます。特に、ノムラは医学部の実習とお笑い活動を両立する難しさに直面しながらも深夜までネタ作りに励んでいました。王坂も、大学時代から自身の文学的なセンスを生かしながら、観客ウケや構成を徹底的に研究する姿勢を崩しませんでした。

 決勝が近づくにつれて、プレッシャーも大きくなったと語る2人。しかし、盛岡一高演劇部時代から積み上げてきた「負けない心」が、彼女たちを支えていました。その結果、見事に決勝進出を果たし、多くの人に勇気を与える存在となりました。

コンビの強みとネタ作りの苦労

 忠犬立ハチ高の最大の強みは、ノムラの実体験に基づく医学ネタと、王坂の文学的な発想力から作られる独自の世界観です。一見異なるジャンルの2人ですが、それぞれの経験や知識を融合させることで唯一無二の笑いを作り上げています。この組み合わせは、東京大学落語研究会での活動を通じてさらに磨かれました。

 ネタ作りでは、まず王坂が大枠となるアイディアを出し、その後ノムラが具体的なエピソードや独特の視点を加えていくスタイルをとっています。しかし、その過程で何度も言い争うこともあったそうです。「時には険悪なムードになることもありましたが、それぞれの意見を尊重し合うことで最終的には最高のネタができあがります」と2人は語ります。

 「THE W」2024の舞台では、彼女たちのこうした努力と個性が集約されたネタが披露される予定です。その仕上がりに、多くのファンが大いに期待を寄せています。

忠犬立ハチ高が目指す未来

お笑い活動を通じて伝えたいこと

 忠犬立ハチ高の2人が目指すのは、ただ笑いを届けるだけではなく、視聴者の心に深く響くメッセージを届けることです。山梨大学医学部卒と上智大学文学部卒という高学歴だからこそできる独自の視点を活かし、知的でユーモアに富んだネタを提供しています。お笑いを通じて、「自分らしく生きることの大切さ」をテーマに、夢を追い続けることの楽しさや感動を伝えたいと語っています。

今後の活動計画とファンへの想い

 忠犬立ハチ高は現在、女芸人No.1決定戦「THE W 2024」の決勝進出を果たし、大きな注目を集めています。彼女たちは、これを機にさらなるステージアップを果たし、全国の観客に自分たちの笑いを届けることを目標にしています。漫才やコントだけでなく、多方面での活躍も視野に入れている2人は、SNSやYouTubeなど、デジタルメディアを活用してファンとの交流を深めていく計画です。「応援してくれるファンがいてこその私たち」と語る2人は、感謝とともにより笑顔を届ける活動を誓っています。

高学歴女子としての影響力をどう発揮するか

 ノムラと王坂は、ただの「お笑い芸人」という枠に留まらず、高学歴女子として社会に対してポジティブな影響を与える存在になりたいと考えています。東京大学落語研究会で培った表現力やマルチな能力を活かし、特に教育やジェンダーに関わる問題への意見発信も視野に入れています。高学歴であることを特別に強調するつもりはないと言いつつも、そのバックグラウンドを武器に、社会に新しい風を吹き込むことを目指しています。また、挑戦することの大切さを自らの経歴を通じて示し、特に若い世代に勇気と希望を与えたいという思いを抱いています。